12月24日

聖なる夜に初体験。

この日、マーボー氏は泊まりの勤務だった。
いつものように食事の介助をしていると
同僚より、ある男性利用者の様子がおかしいと耳打ちされる。

ごはんは食べない、見るからにダルそう。
熱を計ると、体温計は39度を指していた。
施設では、大事に至っては困るので
症状はどうあれ、体温が39度以上ある場合は
救急車を呼ぶということになっている。

——というわけで、救急車が到着した。

利用者さんは担架で車内に運ばれ、
付添い人にはマーボー氏が行くことになった。
生まれて初めての乗車である。

すぐに出発するかと思いきや、搬送先が遅々として決まらない。
8件目の病院がようやく受け入れてくれることになった。

「救急車通ります、救急車、救急車通りまーす」

隊員がマイクで発する。
行き先は10キロ弱先の救急病院。
通常走行なら4、50分ぐらいかかるところを
20分で到着してしまったというからサイレンの威力はスゴイ。

走行中の車がみるみるうちに右に左にと寄せては止まる。
その光景を

「まるで、モーゼの十戒だった」

と形容。なかなかできない体験ゆえに、
利用者さんの様態そっちのけで興奮したという。

イルミネーションにつつまれる街を信号無視で突っ走る。
それはサンタクロースからの粋なプレゼントだったのかもしれない。
運ばれた利用者さんは苦しかっただろうけど……。
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by trasac | 2005-12-26 15:58


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